今回の雇用統計、「中身よりヘッドラインが強い」とのたもう御仁がいたそうな。
その人を責めちゃいけない。
中身の見方を知らないだけなんだから、罪はない。
無知を罪だなんて言い出したら、ぼくほど無知な人間もいないんだから。
それはともかく。
失業率の改善幅は、表面的には3.857%から3.829%なので、小幅、あるいは誤差程度。
だけど、その背景で労働参加率が62.540%から62.675%に跳ね上がっていて、その影響を抜いて再計算すると3.622%で、かなりの改善。
事業者調査の新規雇用者数30.3万人増も、単月のみならず、3ヶ月平均で27.6万人と、かなり強い数字。
「どうせ予想を意図的に10万人ぐらい低めに出しておいて、数字が出た瞬間、上ブレ!って叫ぶだけだろ」みたいなこと言うけど、ってか、そういう投資銀行が一部にあるのはそうかもしれないけど、だとしても、30万人超えっていうのは、掛け値なしに強い数字なんだってば。
「フルタイムじゃなくパートタイムが」とかいうのも、中身を見ていない証拠。
週平均労働時間を見てみると、一時、速報ベースで34.1まで落ち込んでいたのが、34.4まで戻ってきた。
34.4というのは、この数値が公表されるようになって以降の207ヶ月の中で、平均でありメジアンでありモードである、極めて標準的な数字。
みんなちゃんと、フルタイム並みに働いているということ。
雇用者総週給が、過去1年間で最高の6.458%も伸びてるんだから、個人消費面からの景気減速懸念なんか想像しろというほうがムリ。
ちゃんと、中身、見ようね。